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積年の夢を叶え、ついに早乙女太一・友貴兄弟がいのうえ歌舞伎で古田新太と激突!|劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎『天號星』

2023.8.24

「劇団☆新感線」の中でも外連味溢れる作品で人気の“いのうえ歌舞伎”。その最新作『天號星』が間もなく開幕! 主演を務める看板俳優・古田新太に挑むのは、これまでに幾度も圧倒的な立ち回りで「新感線」の舞台を彩ってきた早乙女太一と早乙女友貴。「兄弟で古田さんと共演するのが夢だった」と語る2人に今の心境を聞いた。
 


一番心が動いたのが、まさに兄弟で古田さんと殺陣で戦えるということ

― いまや「劇団☆新感線」の常連とも言えるお2人ですが、ご自身にとって「新感線」はどのような存在ですか?

<太一>
最初は憧れでした。特に、いち観客として魅了されたのが、『髑髏城の七人』や『阿修羅城の瞳』、『朧の森に棲む鬼』といった作品で。その後、ありがたいことに公演に呼んでいただくようになり、それからは、“次に出演するときはもっと成長した姿で帰ってきたい”と思える場所になっています。

<友貴>
僕も兄と同じで、憧れの場所でした。それが、今では5年連続で出させてもらえるまでになりましたが、毎回が勉強だと感じています。どの作品でも吸収できるものがまるで違うので、それがすごく新鮮です。しかも、今回は念願叶い、兄弟で古田(新太)さんと共演できるので、ものすごく興奮していますし、間違いなく今までにない作品になるだろうなと感じています。

― ご兄弟で古田さんと共演したいというのは友貴さんからのご提案だったとか?
<友貴>
はい。といっても、僕から勝手に「兄弟で古田さんとやらせてください」とお願いしていただけなんですけどね(笑)。そうしたら、劇団側もちょうど同じことを考えてくださっていたみたいで、今回その思いが合致して実現することになったんです。

<太一>
友貴が「新感線」にそういう話をしていたというのはあとで知ったのですが、今回の出演に際して、実は一番心が動いたのが、まさに兄弟で古田さんと殺陣で戦えるということでした。古田さんとの立ち回りは僕の中でずっと夢の一つであり、それが前作(『けむりの軍団』/2019年)で叶ったので、次に「新感線」に出るときは、これまで経験したことのないものに挑戦したいと思っていました。

― まさに夢の実現なわけですね。そうしたなか、今回演じる役柄については、現時点でどのような印象をお持ちでしょう?
<太一>
宵闇銀次はひと言でいえば冷酷非道な殺し屋ですね。金のためならどんな殺しの依頼でも引き受ける男。その彼が、古田さん演じる半兵衛と入れ替わってしまうのですが、この半兵衛もかなりの曲者で(苦笑)。彼は世のために悪党を始末する“引導屋”の元締めであるものの、本当の顔は気の弱い臆病者なんです。その展開を聞いたとき、なんて面倒な役なんだと思いました(笑)。

― 確かに演じ分けが大変そうです。
<太一>
2役だけでも難しいのに、半兵衛には表と裏の顔があるから、“そうか、実質3役かぁ”と思って(笑)。でも、大変なぶん、挑戦のしがいがあるので嬉しくもあります。

<友貴>
僕が演じる朝吉は強い相手と戦うことを生きがいにしている人斬りですね。銀次と互角の強さがあり、決着をつけるためにわざわざ上州からやってくるほどで。これまで「新感線」の作品に出るときは、大抵おバカでふざけた役ばかりでしたので(笑)、荒くれ者を演じられることがすごく楽しみです。

― 朝吉も古田さんと立ち回りをするシーンはあるのでしょうか?
<友貴>
あるんですが、台本上では今のところ3手ぐらいしかないんです。これを、稽古中にいかに15手ぐらいまで増やせるか考え中です(笑)。古田さんは「絶対にやりたくない!」って言うと思いますが(笑)。
 


外連味のあるカッコよさと、ただただバカっぽい笑いの要素のバランス

― では、そんなお2人が熱い憧れを抱く、舞台人・古田新太の魅力を挙げていただくと?
<太一>
手の抜き方ですね(笑)。語弊があるかもしれませんが、殺陣にしてもときどき見せる力の抜き加減がとても絶妙で。しかも、それが色気につながっていたりするんです。

<友貴>
うん。すごく省エネ(笑)。なのに、舞台上にいるだけでカッコよくて、惹きつけられるし、劇場の空気を支配する存在感がある。そんな舞台俳優は古田さんしか見たことがないです。

<太一>
また、古田さんに限らず、「新感線」の舞台は外連味のあるカッコよさと、ただただバカっぽい笑いの要素のバランスが見事なんですよね。僕が最初に「新感線」の作品に魅了されたのもそこでした。

<友貴>
脚本の中島かずきさんが描く主人公は「少年ジャンプ」に出てくる“ザ・ヒーロー”のような分かりやすい魅力がありますし、その周りを固める登場人物も個性豊かなキャラばかりなので、きっと誰が見ても楽しめると思います。

― “笑い”の部分に関しては、台本自体にはそれほどギャグが書かれているわけではなく、「いつも稽古をしながら生まれていく」と演出のいのうえひでのりさんが製作発表でおっしゃっていました。
<太一>
今回はどうなるんでしょうね。古田さんや(池田)成志さんは、きっとふざけていくでしょうけど(笑)。僕の役に関しては、古田さん演じる半兵衛と入れ替わったときに、どういう慌て方や戸惑い方をするかという表現でおかしみを作れるのではないかと思います。ですので、いわゆるギャグ的なものはやらないと思います。たぶんですが(笑)。

<友貴>
僕も今回はどうなるのかな。これまでだとおバカな役が多かったこともあり、公演が始まってから、いのうえさんに“ひと言ギャグ”を増やされることがパターンとしてあったんです。それも、“これ、絶対にスベるでしょ!?”というようなギャグを(笑)。それって、おそらくですが、いのうえさんが公演を毎日観ているので、ほかのギャグに飽きてきたら、自分の楽しみのためだけに増やしているんじゃないかと思って(笑)。で、本番では当然ながら思いっきりスベって、静まり返る客席のなか、いのうえさんの楽しそうな笑い声だけが聞こえてくるというのが一つの形になっているんです。……今回もちょっとだけ覚悟しています(笑)。

― (笑)。では最後に、お2人が今作で楽しみにされていることをお話しいただけますか?

<太一>
やはり何と言っても、カッコいい殺陣を見ていただくことです。僕自身、「新感線」の舞台に出るときはいつも、自分がかつて衝撃を受けた迫力ある立ち回りを、もっと多くの方に見てもらいたいという思いで立たせてもらっています。それに、今回は僕と友貴、さらには同じ客演のちーちゃん(山本千尋)がいますからね。3人でカッコよさの底上げを目指しつつ、新感線ファンの方に、“最近の作品の中でも飛び抜けて殺陣が最高だった”と思ってもらえるように頑張りたいと思っています。

<友貴>
同じですね。僕たち兄弟が出ることで違った色を出せればいいなと思っていますし、そこに中国武術の達人である千尋さんが加われば、さらに見たことのない立ち回りになると思いますので、ぜひそこにも注目していただけたら
なと思います。
 


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THEATER MILANO-Zaオープニングシリーズ
2023年劇団☆新感線43周年興行・秋公演
いのうえ歌舞伎『天號星』

2023年9月14日(木)~10月21日(土)
お問合せ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日12:00~15:00)

公演詳細はこちら


ヘアメイク/[早乙女太一]岩澤あや、[早乙女友貴]国府田雅子(B.sun)
スタイリスト/[早乙女太一]八尾崇文、[早乙女友貴]佐藤美保子 

文:倉田モトキ
写真:平安名栄一

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