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戦国時代を舞台に、本当の強さと幸福を描いた『HiGH&LOW』最新作がいよいよ開幕!

2024.1.27

映画やドラマをはじめ、マルチメディアで展開している『HiGH&LOW』シリーズの最新作、舞台『HiGH&LOW THE 戦国』が1月29日より開幕。主人公の黄斬を演じるのはGENERATIONSの片寄涼太。また、宝塚歌劇団の男役スターとして多くのファンを魅了する水美舞斗、『HiGH&LOW』シリーズ初挑戦のRIKU(THE RAMPAGE)が華やかに舞台を彩る。今作では敵対する国同士の役を演じる3人に、稽古場での様子、そして本番への思いをうかがった。

この作品、この役に出会えたことに感謝!

─ 今作で皆さんはそれぞれ、砂の国《須和国(スワノクニ)》、水の都《乃伎国(ノギノクニ)》、火の国《尊武国(ソンブノクニ)》で軍を束ねる役を演じられています。現段階で、ご自身のキャラクターについてどのような印象をお持ちですか?

<片寄涼太:劔 黄伊右衛門(黄斬)役/須和国>
黄斬はあまり武将然としたところのない男だなと感じています。人を傷つけて世界を統治するのではなく、誰かを守ったり、人と人とがつながることで平穏な世が保たれるはずだと信じている。ただ、同時に、“それだけではダメなのかもしれない”という悩みや弱さも抱えていて。今作はそんな彼の成長もひとつの鍵になっているように思います。

<水美舞斗:神洲崎湧水役/乃伎国>
黄斬には武将らしからぬ優しさがありますよね。

<片寄>
そうですね。でも、優しさがあるがゆえの迷いもあって。すべての物事を受け入れたり、許容することだけが強さではないと自分でも分かっている。そこも演じる上でのポイントになってくるだろうなと感じています。

<RIKU:上宮地玄武役/尊武国>
玄武はひと言でいえば、圧倒的な武人です。自分以外の人間を敵視し、誰に対しても鉄の壁を作っている。分かりやすく“イヤな奴”です(笑)。でも、そうならざるを得なかった過去が彼にはあるんですよね。そこから一歩踏み出し、少しずつ心を開いていくことが彼にとっての試練になるわけですが、そうした自分を変えたいという気持ちは、きっと多くの方が共感できるのではないかと思います。

<水美>
湧水は黄斬に近いかもしれませんね。争いごとを好まないですし。主として国を守るためにときに罪人たちに冷酷無慈悲な行動を取ることもありますが、そうやって自分が鬼になることで、部下たちに嫌な思いをさせないようにという部分も持っている。そんな彼が戦いの中に初めて足を踏み入れることで、あらためて命の尊さを実感していく。この物語の中で、すごく成長していく人だと感じています。

─ 現在は本番に向けて稽古の真っ最中です。長い時間をかけて稽古を重ねていくなかで、役ヘの印象に変化を感じたところなどはありましたか?
<片寄>
僕はもう発見することばかりです。一人で台本を目にしていた時には気づかなかったことが多く、想像していた以上にさまざまなメッセージがこの作品には込められているんだなと、日々感じています。特に、この『HiGH&LOW』シリーズにはどの作品にも“生きるとはどういうことか”という普遍的なテーマが盛り込まれていますし、だからこそ、これまで培ってきたお芝居の経験のすべてをぶつけて挑んでいきたいという気持ちにさせられます。

<RIKU>
玄武も、自分が最初に思い描いていたイメージとは違うなと感じるところがたくさんありましたね。彼は己の力のみを信じている人間なので、表現しやすい役だと思っていたんです。でも、本当の意味での人間の強さって“心技体”の3つが揃っているものであって、その中で彼には“心”が欠けている。つまり、未完成の強さなんですよね。逆にいえば、欠点があるからこそ、実は人間臭いキャラクターでもあるんだなと思えて。きっと、こうやって役を突き詰めていくとまだまだいろんな発見があるでしょうし、一筋縄ではいかない大変な役ではありますが、役に対して真摯に向き合えば向き合うほど、僕自身の役者としての引き出しが増えていく気がしますので、今はこの玄武役をいただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

<水美>
私も湧水役に出会えて本当によかったなと思っています。湧水は《乃伎国》を統べる男ですから、最初は国の主としての存在感、父上への想いを深めていこうと考えていたんです。でも、脚本・演出の平沼(紀久)さんにご相談したところ、「側近である弦流(藤原 樹)との関係性により重きを置きたい」とおっしゃられて。確かに2人の関係性をどう表現するかで《乃伎国》の見え方自体が変わってきますし、さまざまな登場人物同士の関係性がある中で、湧水と弦流にも他の方とは違う特別なものがあるんですよね。そこがとても魅力的なので、演じていてすごく楽しいです。また、湧水って玄武とは真逆で、人前では主として強がって存在しているけど、実際はすごく弱い男でもある。弦流に支えてもらわないと、ひとりでは生きていけないぐらいですから。

 
藤原樹(THE RAMPAGE):姫川弦流 役/乃伎国

<RIKU>
確かにそうですね。

<水美>
私にとってはそうした弱い?男性の役もなかなかないので、そこも新鮮で。というのも、私は宝塚歌劇団で多くの男役を演じてきていますが、そこには“女性の役者が魅せるカッコいい男性の姿をお客様にお届けしたい”という思いが常にあるんです。でも、この湧水に関しては、“なんて弱くて、なんて自立できてなくて、一体いつまで父親にすがって生きてるんだ!?”と、本当に弱い部分を私は感じていて(苦笑)。

<片寄>
そこだけ聞くとどこまでもカッコ悪い役ですよね、湧水って(笑)。

<水美>
そうなんです。でも、これも平沼さんとお話する中で、「湧水は確かに助けがないと生きていけない人間ですが、その弱さを自分自身が認め、誰かに救いを求められる強さがある。そこが彼の魅力でもある」とおっしゃられたんです。

<RIKU>
なるほど〜!!

<片寄>
分かる気がします。男って、どうしてもどこかしらカッコつけてしまいますからね。そうではなく、カッコ悪いところを素直に見せられることのほうが、実は本当のカッコよさなんじゃないかということですよね。

<水美>
まさに!! それです “弱さを見せられる強さ”という男のカッコよさがある。

<片寄>
新しい価値観が生まれたんですね。

<水美>
はい。この作品のこの役に出会えて本当によかったなと思いますし、湧水という人をもっともっと知りたいです。

物語に深みを与える、3人それぞれの“相棒”たちにも注目!

─ 先ほど水美さんが「この物語にはいろんな登場人物同士の関係性がある」とお話しされていましたが、湧水に弦流がいるように、黄斬には瀬央ゆりあさん演じる吏希丸が、また玄武には浦川翔平さん演じる白銀という存在がいます。それぞれの組み合わせが物語に深淵さを与えていますが、皆さんはどの組み合わせが特に気になりますか?
<水美>
みんな素敵な関係性ですよね。支え方もそれぞれ違いますし。

<片寄>
僕、湧水と弦流の組み合わせがいちばん好きかも。

<RIKU>
一緒です! 僕もめっちゃ好きです!!

<水美>
ありがとうございます。嬉しいです。もちろん私も湧水と弦流の関係性は大好きですが、吏希丸や白銀の存在もとっても魅力的に見えます。ガッツリとした男同士の友情が描かれていますし。ただ、ひとつだけ思うのは、吏希丸の行動。黄斬に対してもっと別のやり方があったのではないかと考えさせられるところがあります。

 
瀬央ゆりあ(宝塚歌劇団):村上吏希丸 役/須和国

<片寄>
そうなんですよね。ちょっと切なさがありますもんね。

<水美>
はい、とても切ない…。黄斬が背負っているものや、これからの未来を考えると、あの方法しかなかったのかなとは思うんですが……。この関係性、とっても深くて沁みますね。

<片寄>
戦国という時代だったからこそ、吏希丸も不本意な行動を取らざるを得なかったのかもしれませんし……。ただ、だからこそ、より一層、吏希丸のことが愛おしくなります。

<RIKU>
この会話、ネタバラシになるから今は詳しくお話しできてないんですけど、きっとこのやり取りを読みながら、“めっちゃ気になる〜!”って思ってる方、たくさんいるでしょうね(笑)。

<片寄>
そこはもう、ぜひ本番を楽しみにしてくださいとしか言えないです(笑)。

<RIKU>
白銀についてはどうですか? 以前、稽古場で、「玄武と白銀の関係性が大好き」とおっしゃってくださいましたよね。


浦川翔平(THE RAMPAGE):白銀相生 役/尊武国

<水美>
はい!いつも稽古を見ながら、“白銀みたいな人が側にいてくれたらなぁ”って思ってます(笑)。さっきRIKUさんが玄武について「自分のことしか信じていない男」と紹介されてましたが、それでも白銀にとっては“この人についていきたい”と思わせるほどの魅力が玄武にはあったんだろうなって思うんです。

<RIKU>
なるほど、そうかもしれませんね。僕は白銀役が翔平で本当に良かったなと思っていて。彼とは以前共演した舞台でも楽しくお芝居でケンカをしてましたので(笑)、また心からの叫びをぶつけ合っていきたいなと思ってます。

全38公演を“戦う”ためにも、しっかりとした休息を

─ また、今作のキーワードのひとつに“煩悩”がありますが、皆さんの中で“この欲だけは捨てたい”というものはありますか?

<RIKU>
僕はすぐに答えが浮かびました。食欲です。ほんと、止まらないんです(笑)。目の前に食べものがあれば、あるだけ全部食べちゃうんです。

<片寄・水美>
はははははは!

<片寄>
ホントに? それはすごいわ(笑)。

<RIKU>
まず、嫌いなものがないんですよ。甘いものも大好きですし。ただ、すぐに太っちゃう体質で。もしこの欲がなければ体型を維持できるんでしょうけど、でもどうしても食べたいがために、トレーニングをして体を動かしているんです。

<片寄>
それはしょうがないね(笑)。

<水美>
でも、ちゃんと体型を維持させているのは偉い! 私はとりあえず物欲を捨てたいですね。夜のスマホとか、もう魔物ですよ。あれもこれも買っちゃって。冷静になった頃に届くから、いつもあとで“どうして買ったんだろう……”って(笑)。

<片寄>
何をそんなに買っているんですか? 洋服とかですか?

<水美>
服もですが、稽古前に作品に関する資料とかも買ったりします。あとは、“これ、稽古場で使えるかもしれないな”といった、ちょっとした小物とか。この“かもしれない”が厄介で、結局使わなかったりするんですが(笑)。

<RIKU>
分かります。ネットって、ついつい余計なものも買っちゃいますよね。でも、そんなにいろいろ買っていたら、家の中に溜まっていきません?

<水美>
そうなんです。だから今、大きな家に引っ越したいという欲にも駆られています(笑)。

<片寄>
(笑)。僕は睡眠欲ですね。朝、起きた直後に襲いかかってくる“まだ寝てたい”という気持ちをどうすれば消せるのか、と(笑)。睡眠時間はじゅうぶん取っていると思うんです。でも、ちゃんと疲れが取れていないのか、すぐに眠くなってしまって。特に、これから舞台の本番が始まると体力の回復が間に合わなくなりそうで、その心配もあるんですよね。

<水美>
毎日が疲労回復のための睡眠との戦いですね。

<RIKU>
家でも戦国だ!(笑)

<片寄>
え〜、それはヤダなぁ(笑)。

<水美>
(笑)。でも舞台って、練習と同じく、休むのも仕事ですからね。より良いパフォーマンスを届けたいと思って予習や復習に時間をかけていくんですが、でもある時から、“今日は練習はほどほどにして休むことも大事だ”と考えられるようになったんです。若い頃は自分の限界が分からず、稽古で喉を潰してしまうこともありましたが、もしそれが本番中だったらと思うと本当に怖いことだなと感じて。だって、練習のし過ぎでベストのパフォーマンスをお客様にお見せできなかったら本末転倒ですから。

<片寄>
本当にそのとおりですよね。毎日をベストコンディションでいるためにも、絶対に休むことも必要だなと思います。

<RIKU>
公演数も全部38回ですからね。最後までしっかり駆け抜けるためにも、僕もちゃんと休もうと思います。

<片寄>
そうか、38回も戦国で戦うのかぁ……(笑)。気を引き締めて頑張ります!


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片寄涼太×水美舞斗×RIKUが立ち向かう!未知なるエンターテインメント『HiGH&LOW THE 戦国』

戦国時代活劇
『HiGH&LOW THE 戦国』

2024年1月29日(月)~2月25日(日)
お問合せ:ticketbook カスタマーセンター 0570-009-098(11:00 18:00/不定休)

公演詳細はこちら

文:倉田モトキ
写真:玉井俊行

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