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新宿にブルーマンがやってきた!『ブルーマングループジャパンツアー2024』
2024.9.3
ブルーマンに抱かれるTHEATER MILANO-Za従業員、ミラノくん。
©引地信彦
全世界で5000万人以上を唯一無二のパフォーマンスで魅了してきた「ブルーマングループ」。青い顔をした彼らのエキサイティングなショーが、東京・新宿のTHEATER MILANO-Zaに初上陸を果たした。
ブルーマンのパフォーマンスは、なぜこれほど多くの観客を惹きつけるのか。来日は7度目、ブルーマンのパフォーマーを18年半続けている「ブルーマングループ」のリーダー、スコット・スパイザーに、ジャパンツアーの手応えやショーの魅力を聞いた。
スコット・スパイザー(Scott Speiser)
アメリカ出身。俳優・作家。Amazon Primeのドラマ『The Tick』にレギュラー出演。『9-1-1』、『N.C.I.S.』、『Hawaii 5-0』、『Blue Bloods』、『Criminal Minds』、『Bull』、『The Orville』、『Marvel’s Agents of SHIELD』、『Mike & Molly』にゲスト出演。映画『Jess Plus None』、『May the Best Man Win』、『Southbounders』、『The Mangler Reborn』に出演。
観客とともに積み上げるパフォーマンス
©引地信彦
― 久々の日本公演です。新宿歌舞伎町で公演がスタートしていますが、日本の観客とのセッションの手応えはいかがですか。
これまでのところ、とても素晴らしいです! ほぼ完売となっている公演も多いようで、大変嬉しいですね。ステージに出た瞬間、すべての客席が埋まっているのを見るのは、やはり私たちパフォーマーにとって最高に楽しいことですから。
私たちのショーには、観客とのインタラクション=相互作用を生み出す仕組みが数多く含まれています。つまり、観客もショーにとって欠かせない存在なわけです。ですから、客席のノリがイマイチだと、私たちもやりにくくなってしまう。
私たちは元気いっぱいに声を出して、応援してくれる観客が好きです。その点、日本の観客は、最初はすごく静かでおとなしい(笑)。だけど、ショーが進むにつれて、どんどん乗ってきて楽しそうな様子を見せてくれるようになります。お行儀よく座っていた彼らが、次第に心を開いて、歓声を上げたり騒いでくれたりしてくれる。それが最高に嬉しいです!
©引地信彦
― 国ごとにパフォーマンスをアレンジしていると伺いました。国ごとのアレンジはどのように生み出していくのでしょうか。
ステージ横に設置している字幕もそうですが、ブルーマンのショーはどの国でも少しずつ違う内容にしています。
今回だと、いくつか曲を演奏しているのですが、その中には日本公演用に用意した楽曲があります。ここではその曲のことは詳しく言わない方がいいかな。ネタバレになっちゃうから(笑)。その曲を少し演奏するだけで、みんなすぐに何の曲か気づいてクスクスと笑い出すんです。
当然、国によって観客が違えば、文化的な面でも違いがあります。なので、私たちは行く先々で試行錯誤しながら、取り組んでいます。例えば、ラスベガスのショーですごくウケたものが、日本ではイマイチな反応なこともある。もちろん、その逆の場合もあり得るわけです。
そういうときは、ちょっとタイミングを変えてみるなど、細かいところを調整して、日本の観客にうまくハマるものを探るようにしています。そうやって、「どうしたら日本でうまくいくか?」を考えるのも、パフォーマーとして面白い部分です。
― スコットさんご自身もパフォーマンスする際は国の違いを意識されていますか。
「(日本語で)イイエ!」、違う国ということは意識していません。国の違いというよりも、毎公演、異なる観客に対してショーをしているということを意識していますね。同じ東京公演でも、昼の回と夜の回では、客層が大きく違う場合もあるじゃないですか。
だから、ショーの中で、「このお客さんたちに合っているかどうか」を考えるようにしています。目の前の観客とどうつながるか。それが重要だと考えています。
©Tom Nutt
― 観客をステージ上に上げるパフォーマンスは、観ていてとてもドキドキしました。観客との即興のやりとりをうまく成立させる秘訣はなんでしょうか。
観客の中にサクラがいると思っている人も多いかもしれないけれど(笑)、実際にはそうではありません。ステージに上がってもらったときにうまくいきそうな人を、私たちが選んでいるだけです。
といっても、それもすごく難しいんですけどね。お客さんを選ぶ際に見ているのは、いい笑顔で楽しんでいるか、いい個性を持っていそうか、といった点です。ショーに対して前のめりであってほしいのですが、かといって「選んで! 選んで! 選んで!」という目立ちたがりの人は選ばないようにしています。そうすると、楽しくなくなってしまうんですよ(笑)。
― では「ブルーマンに選ばれたい!」というファンへアドバイスするなら、“あまりアピールをしない方がいい”というアドバイスになる?
そうですね。観客をステージに上げる面白さは、自分がステージに上がるとは夢にも思っていなかった人たちを突然ステージに上げる意外性にあります。彼らは最初は不安そうで、居心地が悪そうにする。そのステージ上の気まずい瞬間が、ショーの一部になることが私たちは好きなんです。
だから、これを読んでいるあなたがもし選ばれたいなら、「選ばれたくない」と望むようにするといいと思います。「選んで!」というアピールは逆効果なので、おすすめしません(笑)。
ブルーマンに選ばれたお客様が舞台上でペイントまみれに。
©引地信彦
ブルーマン歴・18年半!スコット・スパイザー。
― スコットさんは俳優としても活躍されています。
活躍…といっていいかはわからないですが(笑)、たしかに俳優としてAmazon Prime Videoの『The Tick』や多くの作品に出させてもらいました。(プロフィール参照)
オフの日のスコットさん。
― 一方で、ブルーマンとしてパフォーマンスもされています。両立する難しさや、それぞれの違いをどう捉えていますか。
俳優とブルーマン…たしかにだいぶ違いますよね。ブルーマンのキャラクターは、18年半やってきました。ブルーマンでは、常に新しいことを学んでいる感覚もありますが、とはいえ長くやってきたので自信を持ってショーに臨めます。
一方で、テレビへの出演は、数日前にオーディションを受けて1週間で現場入りという形が多い。それまでに覚えることもたくさんあって、ストレスが多いのも事実です。ただ、テレビや映画の現場ではよく「Time is money=時は金なり」というフレーズが言われるのですが、そのストレスのかかる時間もまた、ブルーマンとは違った楽しい部分でもあります。
今、私はブルーマンのショーはフルタイムではやっておらず、ロサンゼルスを拠点に役者業をしています。でも、ブルーマンから声がかかって、スケジュールが空いてさえいれば、喜んで仕事を受けます。それほどブルーマンの仕事は楽しいし、友達も多い。この体験もまた、最高です!
そういえば先日のショーで、私が出演したドラマ『The Tick』のTシャツを着た観客がいたんですよ! 終演後のミート&グリート(※VIP席を購入したお客様のみ)で聞いたら、どうやらその方は『The Tick』のファンで。NHKの『あさイチ』にブルーマンとして私が出ていたのを観て、ショーのチケットを購入してくれたそうです。ショーの最中にそのTシャツを見つけたときはさすがに驚きましたが、こういう素敵な縁があるのも、俳優とブルーマンの両方をやっているからこその体験かもしれないですね。
7月19日、西武球場で始球式を行った際のオフショット。
8月17日、シネシティ広場にて行われた歌舞伎町BON ODORIにて。
― ちなみに東京観光には行きましたか? 日本の好きなところを教えてください。
I love Japan! 今回が7回目の日本です。ブルーマンからジャパンツアーの話を聞いたときに「絶対に行きます!」と答えたくらい、日本はお気に入りです。これまでの来日で東京をはじめいろんなところを観光しましたが、今回はあまりに暑すぎて…(苦笑)。あまりあちこち行けていません。
でも、とにかく、日本が大好きです! それは声を大にして言わせてください! 観客も素晴らしく、みんなとても親切で、食べ物も最高で。寿司、焼き鳥、鯖、大トロ、唐揚げ、卵焼き、日本酒…。すべておいしいです! だから、暑いけど大丈夫です(笑)。
ブルーマングループのメンバーとともに。
ノンバーバルだからこそ。言語の壁を超えるブルーマン
― 日本への愛が伝わってきて嬉しいです! では最後に、スコットさんが思うブルーマンの魅力とは?
“ブルーマン・グループがなぜ特別か?”ということですね。
それはやっぱり、私たちが“話さない”という点だと思います。言葉の壁がないから、世界中のどこでも楽しんでもらえる。アメリカでも、ドイツでも、もちろん日本でもね。
それから、小さな子供から年配の方まで、老若男女に楽しんでもらえる点も大きな魅力だと思います。客席を歩いていて、小さい子供とおばあちゃんが、同じものを観て笑っている光景を目にする瞬間は、本当に最高です。
人々が劇場に足を運ぶ理由にはさまざまな目的があります。コメディを観たい人もいれば、ミュージカルやコンサートやドラマが観たい人もいる。そのすべてが含まれているのが、このブルーマンなんです。
©引地信彦
BLUE MAN GROUP JAPAN TOUR 2024
[東京公演]
日程:2024年8月7日(水)~9月1日(日)
会場:THEATER MILANO-Za
お問合せ:ライブインフォメーション live_info@pia.co.jp
[大阪公演]
日程:2024年9月4日(水)~9月8日(日)
会場:オリックス劇場
お問合せ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(11:00~18:00)※日・祝休業
[名古屋公演]
日程:2024年9月13日(金)~9月16日(月・祝)
会場:愛知県芸術劇場大ホール
お問合せ:中京テレビクリエイション: 052-588-4477(平日11:00~17:00)
公演詳細はこちら
文:双海しお
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