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三山凌輝、芝居と音楽の“集大成”へ——ミュージカル『愛の不時着』で挑む新たな表現

2026.5.7

南北の分断というシリアスな背景と、ロマンティックなラブストーリーを併せ持つ韓国ドラマ『愛の不時着』。そのミュージカル版でリ・ジョンヒョク役に挑むのが、三山凌輝だ。初のミュージカル出演となる本作は、彼にとって新たな表現領域への第一歩となる。俳優・アーティストとして積み重ねてきた経験を舞台でどう結実させるのか——その挑戦への想いを聞いた。

 

 

 

三山凌輝 みやまりょうき

1999年4月26日生まれ。愛知県出身。俳優として活動し、ダンス&ボーカルグループ・BE:FIRSTのメンバー「RYOKI」としての活動を経て、現在はソロアーティスト・俳優として多方面で才能を発揮している。主な出演作に、【ドラマ】『イグナイト -法の無法者-- 』(25・TBS)、連続テレビ小説『虎に翼』(24・NHK)、『誰よりもつよく抱きしめて』主演(25・内田英治監督)【映画】『HiGH&LOW THE WORST X』(22・平沼紀久監督)、などがある。

 

 ミュージカルで開く“新しい扉” 

——まず、本作への出演の決め手を聞かせてください。
『愛の不時着』という作品そのものですね。コロナ禍の時期にドラマをずっと観ていて、ひとつのエンターテインメントとして支えてもらった作品です。この作品がきっかけで、韓国ドラマを見るようにもなりました。あれから時を超え、今の自分がリ・ジョンヒョクを演じることも面白い巡り合わせだと感じています。

——以前からミュージカルというジャンルに興味はあったのでしょうか?
ミュージカルはお芝居や音楽の要素を総合した表現になるので、そういう意味で興味がありました。新しい扉を開くことができたらいいな、と。これまでの自分の表現を、作品や役を通してどうアウトプットできるのか、僕自身も楽しみです。ひとつの集大成として捉えていただける機会になるのではないでしょうか。

 

 クールなだけじゃない、リ・ジョンヒョクの奥深い魅力 

 

——原作ドラマの印象や、シンパシーを感じたところを教えてください。
北朝鮮と韓国の物語なので、フラットに見るとなかなかシビアな世界なんです。そこにラブコメ要素があったり、シリアスな要素もあったり、そのバランスの取り方の上手さがヒットに繋がっているんでしょうね。
シンパシーを感じるところは、軍隊におけるストイックな姿勢でしょうか。自分では思わないのですが、周りからは「ストイックだね」とよく言われるんです。自分が思い描くものに対して納得がいくまで挑む姿勢は、いわば“ひとり中隊長”しているような感じなのかもしれません(笑)。

——三山さんが演じるリ・ジョンヒョクに関して印象的なシーンはありますか?
久しぶりにドラマを見返し始めたのですが、1話でジョンヒョクが地雷を踏んでしまうシーンは面白いですよね。あそこにジョンヒョクの魅力が詰まっていると言っても過言ではないと思います。普通なら、まずヒロインのユン・セリが地雷を踏んじゃうところでしょう。それをまさかのジョンヒョクが踏んでしまう。コメディの掴みとしても上手いですよね。

——リ・ジョンヒョクと恋に落ちるユン・セリについて、印象的なシーンを教えてください。
同じく、1話で描かれているユン・セリの姿ですね。彼女は財閥令嬢で、起業家としても活躍していますが、きっと孤独な部分もあったと思うんです。そんな彼女がアウトプットした末にはみ出してしまった姿を、“不時着”という形で描いていたとしたら面白いなあって。不時着のシーンは、セリのダークな面をあえてポップに描いた表現なのかなと感じて、最初から心を掴まれました。

——リ・ジョンヒョクとユン・セリの二人のシーンで、心を動かされたところはありますか?
1話の最後、北朝鮮の村に逃げ込んだセリが軍隊に見つかりそうになった瞬間、ジョンヒョクが現れますよね。しかも壁ドンで(笑)。ジョンヒョクを見たとき、セリが嬉しそうに笑うんですよ。その時点で(恋が)始まっているなと感じました。そういえば地雷のシーンで、セリがジョンヒョクに「あなたの顔はタイプよ」と言っていたんです。意外とストレートで乙女なところもあるんだなあと思います。

——現時点で、リ・ジョンヒョクという人物に抱いているイメージを教えてください。
以前はクールな人というイメージでしたが、クールなだけじゃなくてチャーミングな人なんだと気付きました。人としての奥行きがあって、かっこいいだけじゃなく、実はかわいらしさも持っている人。きっとそのギャップにみんな惹かれるんでしょうね。
同時に圧倒的な主人公感も魅力です。韓国ドラマはずるいなあって、いつも思うんですよ。キャラクター構成が巧みで、誰もが憧れる魅力的な主人公を描くから。今回、そんな役を演じさせてもらえること自体嬉しいですし、楽しみです。自分も、そんな圧倒的主人公を目指していきたいですね。

 

 舞台で問われる身体性と表現のスケール 

 

——映像とは異なる舞台、しかもミュージカルという現場ではどのように表現していきたいと考えていますか?
やはり映像と舞台のお芝居は違います。例えば、客席にいる人たちに伝えるときのムーブメントの大小の違い。0と100ではないけれど、静でいたいときのあり方と、動であるときのアウトプットの仕方は異なるものです。それをお芝居・歌・ダンスとリンクさせていくところに、今回のやりがいがあると感じています。自分自身が納得できるところで着地させたいですね。“不時着”せずに(笑)。

——ミュージカル版の楽曲は既に聞いていらっしゃいますか?
これから韓国へ行ってキーチェックをする予定なんです。そのサンプルとしていただいた音源を聞きました。節や尺感の持っていき方や歌い回しが、ミュージカルの楽曲らしいなあと。ここで下の音にいくんだ、ここで盛り上がって終わるんだ、みたいな。1曲ではなく、作品全体を通しての感情表現が歌に乗って出てくるので、アーティストとして歌う曲とは全然違いますね。男性のボーカルとして、低いキーからミドルのキーまでさらっと歌うところがポイントになりそうです。喋るときと歌うときのキーの変化に矛盾があって、逆に面白い世界だなとも思いました。

——やはりアーティストとして歌うときと、発声方法などは変わるのでしょうか?
今はまだ考えているところです。ただ、自分の持っている声の成分が、結果として良い形で着地できたらなと。楽曲にはかなり低音の部分もあるので、ファンのみなさんが今まで聞いたことがないようなトーンで歌うこともあるかもしれません。

——これまでにも舞台にご出演されていますが、舞台ならではの醍醐味はどういうところに感じますか?
やっぱりライブ感ですね。たとえ同じセリフだとしても、その瞬間の温度感が全く同じになることはないのが魅力です。何度も通って来てくださるお客様は、ファミリー感や一体感が生まれて、みんなで一緒に駆け抜けていく楽しさもあります。一度だけ観に来てくださる方にも、きっとその日にしか見えない温度感があるはずなので、そこを楽しんでほしいです。長期間の舞台の場合、いい意味で中弛みがくることもあるんです。そういうときにどうそれを締めるか、どう良い方向へ変えていくかも大事にしています。

 

 クリエイティブの軸は“守る”こと 

——本作の演出は、韓国からいらっしゃるパク・ジヘさんが務めます。海外の演出家の方と作品作りをしたことはありますか?
演出や舞台でご一緒したことはありませんが、BE:FIRSTのドキュメンタリー映画は韓国人の監督でした。韓国の方はものすごく熱いパッションを持っているんですよ。加えてクリエイティビティも本質的なものを持っていて、本気で嘘がないものを作ろうとするんです。当時作っていた作品がドキュメンタリーだったこともあり、すごく好感が持てました。そのときの監督さんとは、一緒に家でお酒を飲むくらい仲良くなったんですよ。話も合うし、すごく楽しくて。僕は韓国人の友達が結構いるんですけど、そういうパッショニスタが多い印象ですね。

——三山さん自身のクリエイティブの軸も、今のお話に出たようなパッションなのでしょうか?
そういう部分もありますね。僕の表現では、そのとき思ったことをどういう形で本質的に落とし込むかを大切にしています。自分の中では、社会的縮図が一番大きいと感じているんです。今を形成したのは過去だけれど、それをどれくらい良い未来へ変えていくのかとか、今の社会をどれだけ良しとするのかとか、それがクリエイティブにおけるポイントかもしれません。最終的には、“守る”という選択がすべて。自分の周りの家族や仲間を、何があっても守る環境を作りたいんです。何が軸かと聞かれたら、そこですね。

——最後に、『愛の不時着』という命懸けのラブストーリーになぞらえて、三山さんが今命懸けで取り組んでいることを教えてください。
生きていることです。生きていく上で必要なことは、自立していくこと。やるかやらないかがすべてなんです。人の内面は、一つひとつの選択の積み重ねで形成されていきます。自分という人間を見つめながら、どう生きていくべきかを考え続けてきました。今自分が取り組んでいるすべてを、これからに繋げていきたいです。

ヘアメイク:西村裕司(earch)
スタイリスト:福永桃乃華(YKP)

衣装クレジット
カーディガン/¥88,990-/Tシャツ/¥99,990-/パンツ/¥55,990-/以上SPiKe▲下北沢
リング/¥参考商品 /OWNWAY
ネックレス本人私物、ブーツはともにスタイリスト私物
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ミュージカル「愛の不時着」

2026年7月12日(日)〜7月26日(日)
お問合せ:サンライズプロモーション 0570-00-3337(平日12:00~15:00)

公演詳細はこちら

取材・文・撮影:松村蘭(らんねえ)

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